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・生地が薄いTシャツ=高級? ヤスモノ? どっちやねん? いやどっちもやねん。
日本製無地Tシャツ業界では(ご想像通り市場として小さなものだと思います)ほんとうに千差万別に様々な糸/生地が存在します。
この道のひとりとして一般ほとんどのお客様への説明に苦慮することが多いひとつに「生地の厚さ/薄さでどちらが質が高いか?」ということがあります。ごく一般的には太さだけが異なる糸で細い糸=薄地になるほど目が詰んだ生地=高級となります。難しいのが、後述する生地組成の糸の違い、「コーマ糸、セミコーマ糸、カード糸」でのたとえばカード糸での安い品はやはり低品質です
「コーマ」について、以下美容業界での説明がわかりやすいです 「くし」で繊維/糸の不要な部分をすいていく。みたいなことです
コーミングとはコーム(くし)で髪をとかすことを指す美容用語です。くしを使うことでヘアブラシよりもタイトに髪の流れを整えることができるためきちんと感が演出できます。糸へのたとえとしてどうかな?と思いますが、髪の毛/糸にまとわりつく、糸ほこりとなる部分をどこまで除去していくかがコーミングと言えます
*以下での「不純物 不良部分」とはご家庭の乾燥機でたまに除去する必要がある綿ワタというか綿の不要な部分とイメージされればわかりやすいかと思います
「カード糸」
(不純物を約5%取り除くカード工程)を行った綿花を使用した一般的に使用される最も基本的な糸。シャリ感や涼感のあるラフな味わいが楽しめます。
米国もの安価な一般普及品ブランドではシャリ感/ザラ感があるこの糸/生地での製品が一般的です
「セミコーマ糸」
カード工程後に、コーマ通し(コーミング)で約10%の不良部分を取り除いた綿花を使用。カード糸よりも柔らかく、コーマ糸の光沢、耐久性もある仕上がりです。
中国/アジア諸国生産品では米国ものとの違いを出すためにもこの糸/生地での製品が好んで使われます
「コーマ糸」
丹念なコーマ通し(コーミング)で約20%の不良部分を取り除き、良質な部分だけで仕上げた糸。光沢があり毛羽立ちが少ない肌触りの良い高品質な製品に仕上がります。コーマ糸は光沢がありカード糸に比べ染色後の発色がキレイに仕上がります。
米国/中国/アジア諸国生産でも存在しますが、世界各国の高級品と日本生産品では他国産との違いを出すためにもこの糸/生地での製品が一般的です
「カード生地で薄い品」偏見に近いですが薄い生地でヤスモノの説明をしなければ、高級品での高番手糸/薄地の説明ができないのでここまで書きました
次に高級糸/高番手でなぜコストが高くなるかを説明します(双糸/単糸の違いは後述します)わかりやすいようにあまり無い番手ですが15番と30番で説明します
生地面積が同じTシャツをつくるために(ご参考までに薄手Tシャツ1枚あたり1500メートルの糸が必要とされます)
30番単糸で1500メートルの糸が必要
15番単糸で太いから750メートルが必要 となります
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・後述しますが「番手」について
1ポンド(約450グラム)の重さで840ヤード(約770メートル)の長さを「1番手」糸と言います
1ポンド(約450グラム)の重さで2倍の1680ヤード(約1540メートル)の長さを「2番手」糸と言います
このように綿糸番手の数が大きいほど「細い糸」「目が詰んだ」生地となります。
主に米国のポンド/ヤード法からのオンスと異なり(オンスとは体積からの質量単位です)
日本の綿関係の業界においては、この糸番手によって重さ/厚さを判断するのが一般的です
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おわかりでしょうか?
必要な糸の長さだけで見れば倍の太さの糸なら長さは半分で1着分ができることになります これがコストの差になります
「超長綿」
原料である綿花繊維の長さがもっとも長いものを指します
百貨店や超専門店での真のハイブランドで使われることが多い高級糸の世界視点代表的綿花産地と呼称です
同じ綿花産地、たしかにその綿花産地であってもその中で質のレベルの差は顕著であり、こういった最高級クラスの綿生地が必要か否か、見た/着た瞬間で綿花産地によっての差までホンマにわかるかな?の偏見含めて(笑)以下綿花産地の綿が真実の高級生地であれば最低クラス小売り売価で1万円を下回ることはまずありえないはずです
高級綿花産地のブランド名に流されず必ず現物を比較されることをおすすめします。世間市場には「○○産地の超長綿」であってもそれだけのことでプロの目で見れば超長綿とは呼べないような低級品も残念ながら多数存在します。高級品/一般品/低級品の見分け方として「なめらかさ/しなやかさ」を現物をさわってみられれば普及品との圧倒的なレベルの違いが判断できるはずです。そうでなければ高級品ではないはずですし、深い知識に乏しい方でも「触れればわかるしなやかさ」「高級生地ならではの光沢」があってこそ真の高級品と言います。ただし生地のツヤ/光沢についてはあと加工で光沢を出す方法もありますので判断基準にはあまり向かないか?と思います。
基本的にこういったTシャツでの最低でもたぶん2万円超クラスの高級品はぼくは今後もたぶんやりませんが真の高級品を求められる方は、衣料、とくにメンズ衣料に詳しいと言われる圧倒的に信頼できるクラスの全国各地メンズ衣料専門店さん、売場/商品の自主編集力を持つ百貨店(具体的には伊勢丹新宿/阪急梅田のいずれもメンズ館)メンズバイヤーさん/は売場チーフクラスの方にまずは相談されてみて、高級品の高級品たる点を必ず自ら確認されるとをおすすめします。ぼくは超長綿/高級品についてはこれらクラスの店しか信頼しません。高級産地名/超長綿を語るだけのホントはヤスモノはもっともキライです。
産地が同じでも農産物と同じく質の差はありますので産地名での鵜呑みは禁物です
綿花栽培に適した気候は 乾燥 高温 寒暖の大きな差 があります
「超長綿」の特徴として、なめらかさ/しなやかさ/生地の光沢/丈夫さも兼ね備えており、その特徴を生かすためにも細い番手=高級な品に使うことが一般的です
・西インド諸島/カリブ/海島綿/かいとうめん(シーアイランドコットン)
・エジプト/ギザ綿
・インド/インド綿
・米国 主にカルフォルニア/スーピマコットン
・中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区/新疆綿
以上が世界の主な高級コットンと呼ばれます
他に
・ジンバブエ(アフリカ南部)/ジンバブエコットン
・アンデス(南米ペルー)/アンデスコットン
などが高級綿の主な産地と言われます。
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