Crafted With Pride, Planning In Kyoto Made In Tokyo Japan.
「厚手でありながら日本製らしい繊細さと柔らかさを併せ持つ生地のTシャツ」はできないのか? なぜなら自分が着たいから。
ぼくの望む厚手生地は言葉にすれば簡単だけど世間には無かった。だったら生地からつくるしかないやん。この自分への問いを生産委託先社長に熱く熱く伝え、様々な異番手単糸を撚り合わせるという社長の劇的な発想から、面倒かつデリケートな編機調整が必要な生地の試験編みが始まった。
なぜ編機のデリケートな調整が必要か?編機は同じ糸を使うからこそテンションや度詰め度合いなどベストの調整ができるものだ。つまり生地への編み工程では(たぶんだが)この編機は40双糸専用、こちらの編機は14番単糸専用など編む生地に最適な調整をするものだ。そうしなければいつも同じに安定した品質の生地にはならない。理屈でできるのはわかっていても異番手の生地を撚り合わせて安定した生地をつくるのはその手間を考えれば生地にしていく編屋さんにはほとんどタブーなはず、思いつきでできるものではないのだ。たいへんすぎるのは社長とぼくは知っている。
ぼくの無理強い(すみません)から試編みを重ねてできあがった生地には本当に驚いた。試行錯誤を重ねられたうえでの「厚手でありながら日本製らしい繊細さと柔らかさを併せ持つ」生地ができてきたのだ。本当におどろいた。驚くとともにこの生地を使ってスペシャルな厚手Tシャツを必ず(というか切羽詰まって)商売ベースにしていこうと心に強く決めた。
この生地、20/30ゴールドタグシリーズTシャツ生産から販売の経験は、以降の新しい他の品へのものつくりに対しとても大事なものになった。既存の品に満足できないもっと良品、もっとお安く販売できないかの思考は、既存の品、事例から発想するのでなく、改良すべき点を自らしっかり伝えて「ぼくはこういった品物をつくりたい、売りたいんだ」それはこういうものだ。これをしっかり説明することしかない。
既存の品に満足できないならそれこそがぼくがつくり売っていくべき品だ。こんな気概でやってきたしこの思いはこれからもたぶん変わらない。そこらへんにあるものならぼくがつくる、販売する必然性はどこにもないのだ。
もちろん現行販売の品に100%近くであっても100%満足しているわけでは絶対ない。この生地特有の大きめな洗濯縮度をクリアするために、サイドパネル仕様や身頃の生地の編み目横方向など改良を繰り返してきたし、これは今後もたぶん変わらない。
クルマのモデルチェンジと同じくなにも変えず、なにも新しい技術、アイデアなくして買っていただけ続ける定番など無い。時流に合わせての改良、改善は定番であるからこそ必要と考える。これからももっと改良していくし、それがぼくの商売の道だと信じる。
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