｜糸｜生地の基礎知識
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糸＝生地のグレード（等級）「コーマ糸、セミコーマ糸、カード糸」についてシンプルにお伝えします

「コーマ」＝コーミング

コーム＝くし　コーミング＝髪をとかすことを指す美容業界用語です。
くしを使うことでヘアブラシよりもタイトに髪の毛の流れを整えることができるためきちんと感が演出できます。

Ｔシャツ生地においては、糸にまとわりつく糸ほこり＝乾燥機でのワタとなる部分をどのレベルまで除去しているかがコーミングであり、その精度で生地のグレード（等級）が「コーマ糸、セミコーマ糸、カード糸」に分かれます

＊糸ほこりとは、ご家庭の乾燥機でも除去する必要がある「綿ワタ＝綿の不要な部分」とイメージされればわかりやすいと思います　以下の「不純物」とは繊維/糸状にはならないワタ状の綿ホコリと考えてください

「カード糸」

不純物を約5%取り除くコーミング工程を行った綿花を使用した、一般的に使用される最も安価な糸。シャリ感や涼感のあるラフな着心地です。
米国もの安価な一般普及品ではシャリ感/ザラ感があるこの糸/生地での製品が一般的です

●100％ー不純物約5%＝95％　コーマ糸での不純物20％＝80％と比較して15％不純物の割合が多くなりますす。

ただし不純物＝×とも言えず、米国もの安価な一般普及品での洗濯毎にざらっとした着心地に変化していく。これはこれでひとつの味とも言えます。ざらっとした着心地に変化していくのは、糸の不要な部分が洗濯毎に削がれていく＝乾燥機のワタになっていく部分が多い。と考えればわかりやすいと損じます。

「セミコーマ糸」

コーミング工程で約10%の不良部分を取り除いた綿花を使用。カード糸よりも柔らかく、カード糸より不純物が少ない分、高級感、質感に実は大事な、生地の光沢が出てきます。カード糸と比較して、洗濯毎に削がれる糸のまわりについている不純物がカード糸よりも少ない分、その分薄くなってこないので耐久性も増してきます。中国/アジア諸国生産品では米国ものとの違いを出すためにもこの「セミコーマ糸」/生地が好んで使われます

「コーマ糸」

丹念なコーミング工程で約20％の不良部分を取り除き、綿花の良質な部分だけで編み込んだ糸/生地です。
不純物が少ない分、糸自体に光沢があり不純物が少ない＝毛羽立ちが少ない、上質肌触りの高品質な製品に仕上がります。また不純物が少ない糸ならではの、新品時の高品質な着心地を長期間保ちます。（削がれていく不純物割合が当初から少ないということです）

コーマ糸は糸の不要な削がれてい割合が少ないので、カード糸と比較では、洗濯を繰り返しても染色後の光沢感/発色が段違いにキレイです。同様に着用して１年経過すれば実感できます。よって長持ち＝永い期間着用いただけます。

コーマ糸は米国/中国/アジア諸国生産でも存在しますが、世界各国の高級品および日本生産では他国産との違いを出すためにも一般的にこのコーマ糸/生地を用います。「生地、仕立ての経年劣化が少ない」＝「高級感を永い期間保てるから」が主な理由です。

まとめます。

高級＝コーマ糸　準高級＝セミコーマ糸　普及品＝カード糸　こんな感じです。

上述もしましたが､カード糸だから×でもなく、馴染んでくる毎に着心地にザラ感がでてくるのもひとつの味です。
ただし、糸/生地自体の光沢/高級感＝ツヤはザラ感と反比例します　よって洗濯を重ねても高級感を保つのは当然コーマ糸がイチバンとなります。

もちろん糸の太さ＝厚さや単糸、双糸、三子糸、四子糸など糸、天竺、フライスなど編み方、さらに色染め/洗い工程などにも左右されますが、製品となった時点での販売価格では大雑把に言えば、カード糸製品が500円とすればセミコーマで1000円、コーマで1500円　こんな感じになるかと存じます（生産国や様々な要素で価格は大きく上下します）
以上です

▶オンス＝生地の「重さ」指標　厚い＝高級ではありません