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2016_02_06 色あせ/色落ちがない黒のTシャツ 論文的です

  お客様視点で発想し、製品にして販売まで全部やるのがプロ。

少々論文的です。

 お客様視点でのぼくが欲しいのは、色あせ/色落ちがない黒のTシャツ。

 そんなものは存在しない とプロ視点でぼくが言う。

kuro


 プロとしてなんだかとてもくやしいので、自分でつくることにした。

 一ヶ月これだけを考え、即行動してきたら形になった、3月末発売だ。
 色がおりないTシャツは世間にないならオレがつくればいい。
 これでいいのだ。

 発想を変えるとは、徹底的にお客様視点から品を見直し、自分のこたえを品にすることだ。奇をてらうものでなく、基本をしっかりもってこそ、買っていただけるに値する品になっていく。ぼくにとってプロの概念とはこういうものだ。

 「Tシャツの黒や濃紺は新品時ではいいけど着続けていると色あせしてくる。」これが常識=お客様の視点だ。ドライ生地など化繊では色落ちしないが、綿のTシャツでは糸からでも生地からでも染めの工程がある以上は、着物での薬品ふきつけ加工など特殊な例を除けば、色あせしない綿など存在しない。

 色あせと色落ちは実はすこし異なる
「色あせ」
専門語で戻る と言うが、衣料品屋次男のぼくは、オヤジの商売の頃、倉庫にあった何十年ものの(笑)不良在庫の肌着などを見てこれを理解している。白い肌着は袋に入ってもちろん日光などが当たらない倉庫の中でも、色が黄ばんでくる。これは白の染料が経年変化で、「本来の繊維の色」染める前のきばたの色(綿花の色)に近づいていく。これが色あせだ。
 
「色落ち」
 昨今の洗濯乾燥で、いたしかたない点もあるが、極端な例ではコインランドリーでの洗濯乾燥、特に白を白くする洗剤、これは残念ながら色物も白くする。白は染め色であることを理解されていれば、同じく染め色である白以外も色落ちを加速させることは明白だ。

 今回生産、Tシャツ屋のぼくにとってのプロの提案は
「色あせしない、色落ちしない、新品時の黒をずっとキープする黒Tシャツ」である
日本古来の礼服、紋付袴には(最近のは知らないが)綿でありながら、色あせなどが許されない、つまり色あせがないと言える品が何百年経過していても現存する。

 洗濯の歴史を調べてみると、洗剤と言われる化学的酸性物質が日本で一般的に使われだしたのは明治以降、それまでは植物を燃やしたあとの灰汁、米ぬかなどのアルカリ性物質で汚れを落とし洗濯していたようだ。

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文献より
アルカリ剤には界面活性剤が含まれていないのに、どうして油汚れ(脂汚れ)が落ちる?

油脂の成分である脂肪酸はアルカリで乳化されて溶けるという性質があります。アルカリ剤が脂肪酸に働きかけて一種の石鹸に変えてしまうためです。石鹸になった汚れは水と馴染みやすくなり、それまでくっついていた所から離れて洗い流されてゆきます。

また、アルカリはタンパク質を溶かす働きもあるので、脂肪酸やタンパク質、油脂が混ざり合った皮脂や垢の汚れを洗い流すのにも効果があるのです。また、台所のベタベタする汚れも、油脂と脂肪酸が混じりあっていることが多いので、アルカリ剤で落とすことができるのです。
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 だんだんわかってきた。

 今回ぼくが取り組んでいる、黒染めは現代の洗剤=酸性に値する染めの化学的な染料がなかった頃からの染めだ。つまり、アルカリ性天然由来の染料で染められていると仮定できる。ここにアルカリ性をさらにもたらすなにかと、染めの温度と回数、仮説の仮説だが(染めの世界は知らない 笑)これは料理、特に当日につくったシチューやカレーのルーよりも、冷蔵庫で一日冷やすことであきらかに味が染みる しみるって今気づいたけど染めと同じ字だ。味が染みる=染めが芯まで染みる(しみる)ってことだ。

 染めを依頼している工房の社長さんが言う「日をおいての染め回数と天日乾燥が大事、冬が染めに適している」=染め上げから天日、外での自然の風での冷却、この温度差が染めの定着に重要なところだろう。

 ようするに、酸性の近代的な染め手法とはまったく異なる、古来からのアルカリ性での染めを極めた染め、極めた境地まで達しているから人間の油脂=垢などをたぶんよせつけない染めだ したがって本来なら洗剤ナシで、文献とおり水のみの洗濯で汚れがおちることになる。

 現代のアルカリ性=市販のおしゃれ着用中性洗剤での洗濯であれば、色あせ、色おちの心配がない。といえる染めである。ぼくこそ、調べてみて納得できたので、質問いただいた際はこのこたえになる。

 この染めをきばたの段階で、縫製強度のために縫製糸のみをポリ混黒でTシャツに仕上げる。(はっきり書いておくが、綿100%糸の縫製は要望があってもひっぱり強度で万全にはならないのでやらない)
 つまり「戻る」色、「色あせする」が、染めた色である深黒となり、ようするに深黒をずっとそのままキープすることになる。

 数値がない以上、論文には不完全でも色落ちについて理論的にはこれで充分だ。

 お客様視点から品を見直し、自分のこたえを品にすること

 色あせ/色落ちがなく、新品時の深黒をずっとキープする
 The Samurai Black. Tシャツ
 

 これでいいのだ。できあがりが待ち遠しいね。

 

 


 

 

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